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2006年8月20日 (日)

戦う兵隊を観て

 映画監督亀井文夫さんが1939年、一本の映画を陸軍の要請で作りました。それが「戦う兵隊」でした。
ところが出来上がった映画は上映禁止になり、亀井さんは治安維持法違反で1941年に逮捕され投獄されました。私は今日その映画を観てきました。感想は一言では言えません。
 私の父が満州事変で徴兵されたのは、以前書きました。私は父から、満州で実際何をしてきたのかは、父の口から聴いていません。父が話さなかったからです。私は「戦友」という軍歌を子守唄代わりに育ちました。父はこの歌は、反戦歌だと云っていました。皆夜警に立った時、すごくゆっくり歌ったそうです。ここはお国を何百里・・
 行軍する時は歩調に合わせて早く歌ったそうです。私の心に在る「戦友」もゆっくりした歌です。私は自分のこども達にも、この「戦友」を子守唄にして育てました。そしてこども達が大きく成ってから、この歌は反戦の気持ちで歌い継がれてきたんだって言いました。歌詞を良く読むと、今日の映画以上に反戦的です。確か16番くらい在る長い歌です。私のしている音楽も長唄ですが。
 愚かな指導者には、耳に入る音楽は、行軍に合わせたイメージしか残らなかったのでしょう。でも、目から入る映画は、瞬間にイメージを残したのでしょう。或いは、徴兵された兵隊さん達の心が、敏感に反戦歌としての郷愁を感じとっていったのかもしれません。
 私は今日の映画を観ながら、目頭が熱くなる時が在りました。徴兵された兵隊達は、今も生きている普通の若者なのです。その彼らが、人殺しの経験まで積まされ、或いは自ら死ぬ体験をさせられたのです。日本軍の戦車が日の丸を立てて行軍する場面を見ても、本当に恐ろしいと思います。戦車のキャタビラの動きの恐ろしさ。これは、ドラマではなく、ドキュメントなのです。何故中国に日本の戦車がいるのか。前線本部の将校が「敵」と発言していますが、それは中国人のことなのです。敵とまで云うなら、絶対開放戦争なんかでは在りえません。陸軍が、直接お金まで出して作った映画が、見事にあの戦争の姿を捉えました。侵略された人びとの悲しみと、同時に、この戦争で日本は勝てないだろうと感じさせる中国国民のしたたかな強さ。
 結果は日本の負け。侵略していく側の大義の無さ。その表れとしての兵隊の士気の無さ。侵略される側の大義と正義の熱さ。また日本がどこかを侵略しようと思っても、或いは解放しようと思っても、力、武力でそうするなら、絶対的大義が無いので、必ず負けます。その大義は、でっち上げることの出来ないものです。

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