« 派遣労働者をトラックの荷台に載せる人間性無視を告発する、俺たちは物か。 | トップページ | 靖国派の「論理」の一つ、アジアの開放「論」のとんでもない間違い。 »

2007年10月15日 (月)

教科書調査官の任命は文科大臣。中立を語るなら何故この人達を選んだのか。

 教科書検定委員会に対して、文科省の職員である教科書調査官の意見書が予め意見書として渡される事実は以前のブログに書きました。この調査官なる人々は文科省の常勤職員で、初等・中等教育局に58人います。でも、一般の国家公務員のような採用試験はなく、文科相が任命します。ですから、この調査官の意見が、歴史的に誤った意見ならば、文科相が改めさせても、なんら行政府の干渉に当たらないのです。むしろそれを改めさせないのなら、文科相の責任問題です。一度誤った記述をしたら、今回の場合は削除ですが、それを正す立場の人間がいないという無責任状態を示すことになります。
 今回の沖縄集団自決削除を決めた調査官は、伊藤隆東大名誉教授の門下生です。この伊藤氏は扶桑社版「新しい歴史教科書」の執筆者兼、監修者で、元「新しい歴史教科書をつくる会」理事で、安部首相の取り巻きだった八木秀次氏らの「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会」に参加するにあたって、理事を降りた人です。靖国派の代表的人です。この人の門下生、1998年に主任調査官になった福地惇氏は、現在「つくる会」の副会長ですが、検定最中に雑誌に登場して 「教科書検定の時に近隣条項というのがあって、日本は侵略戦争をして悪かったと書いてないとまずい。そういうがんじがらめ体制になっている」と発言し大きく拡がる世論の批判によって、文科省は彼を解任せざるを得なくなりました。
 その伊藤氏の門下生が今度の削除を決めた意見原案を作った村瀬信一氏です。主任調査官はやはり伊藤氏の門下生、照沼康孝氏です。またぞろ、伊藤門下生が文科省の中を、うようよ歩いているのです。
 こうして、事実に反する記述の教科書が、多くなってきたのです。靖国派の人々の考えは、決して歴史的資料とかに基づかないのです。例えば中学生の教科書から、縄文時代を削除したのも、自分達が大事にする大和朝廷から日本の歴史は教えれば良い、という勝手な思いから削除したのです。何万年という歴史の流れは消し去っても、大和朝廷からの二千年程度の歴史をこども達に教えれば都合がいい。ただ、それだけのことです。これを普通は、また普通とは何か?などと云われるとめんどくさいので、一般的には歴史の矮小化というのです。
 大和朝廷も、ある朝、突然誕生したわけでは在りません。弥生時代に入って、外国からの民族的移動もあり、色々なことが作用して部族間の争いや、鉄器の輸入など、総合的に歴史はダイナミックに動いてきたのです。その時々の覇権者の住むところも、いろいろ変わりました。それらも知って初めて歴史を学ぶことなのです。こどもから歴史を奪い、真実を奪う教科書なんて、およそ教科書ではない。沖縄戦の集団自決に日本軍が関与していないという人たちは、今の沖縄の人々が嘘付きで、じっちゃん、ばあちゃんも嘘つきだと云っているのと同じなんですよ。それで良いのですか。

|

« 派遣労働者をトラックの荷台に載せる人間性無視を告発する、俺たちは物か。 | トップページ | 靖国派の「論理」の一つ、アジアの開放「論」のとんでもない間違い。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 派遣労働者をトラックの荷台に載せる人間性無視を告発する、俺たちは物か。 | トップページ | 靖国派の「論理」の一つ、アジアの開放「論」のとんでもない間違い。 »