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2007年11月29日 (木)

守屋元次官の逮捕に思う。

 日本が軍隊を持ってから、さかのぼれば1872年(明治5年)に、大掛かりな汚職事件がありました。軍事利権に絡む山県有朋(やまがたありとも)の汚職事件です。長州で高杉晋作らがつくった奇兵隊出身の陸軍幹部だった山県は、自分の部下だった貿易商、山城屋和助を陸軍の御用商人にしました。山城屋は軍人に献金をばら撒き、山県らは、見返りに軍需品の納入を山城屋に独占させました。そして、ついに陸軍の公金を貸し付けるまでしたのです。それが発覚し山県は辞任に追い込まれ、山城屋は自殺して、真相がうやむやになり、山県は復権しました。軍隊という「秘密」に囲まれた集団は大きなお金が動くところです。値段があって無いような軍事費は、今回の水増し請求など、簡単に出来る利権の温床なのです。ところが「軍事機密」とやらで国民に明快な説明もしません。
 防衛省の防衛装備品の契約のうち、金額の9割が随意契約で、件数の7割を占めます。ようするに、一般競争入札や、指名競争を行った後で、随意契約にするのです。2001年度から06年度までに装備品の契約は五万四千件、金額にして七兆七千六百万円。莫大な金額です。随意契約で三菱重工業が11件、75億円。 川崎重工業が6件、52億円。 三菱電気が88件、538億円。これは実質的偽装一般競争入札です。
 これらの随意契約とした理由の一つに、「長官からの指示」というものが01年度以降の契約で247件もあり、金額にして5826億円にもなります。大臣には職務権限が在り、その大臣が業者の接待を受けたり、パーティー券を購入してもらったりしていれば、汚職を生み出す構造そのものです。更に重大なことは、防衛省の天下りが多いほど受注額も多い現実です。
 この日本で、天下りの害悪が問題になってからも、政府はいつもこのように云い逃れます。
「貴重な資質と経験を持った人たちを活用することは良いことだ」。お聴きになったことありますでしょう。私はこの言葉を聞くたびに、人を馬鹿にした発言だと思っています。国民には例えば、技術を持った人でも構わずリストラし、経験豊富な人でも勝って気ままに使い捨てているのに、何故高級官僚だけに、これを許すのかと。この間国会で成立した「公務員法改定案」はまさに、国民がハローワークに通いつめても仕事が無い時代に、高級公務員だけに、天下りを規制無しで出来るようにした法律なのです。今までは、関連企業への天下りには、経過年数の規制が在りましたが、それを取っ払ったのです。
 守屋氏の逮捕はを、私は当然と思います。ただ、皆さんがお考えになっていらっしゃるかも知れないこととは、別の意味もあります。自殺を防ぐ。山県有朋の事件ではありませんが、真相を知っている人間の自殺でうやむやに成ることは、この日本では当たり前のように起こっています。これって、世界で日本だけの特徴なんです。
 徹底した捜査と、徹底した国会の議論が喚起されています。これも政府のいつもの云い逃れなのですが、「司直の手に任せて」。これだから、何時までたっても、何の改善のみられない政・官・財の癒着構造なのです。
 何しろ国民の税金がどのように還流しているのかという、大事な問題意識が、何も無い政府。これを監視し、明らかにしていくことこそ、国会の大切な役割だと思います。

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