« 基地が在る限り米兵犯罪は無くならない。安保条約の今こそ破棄を。 | トップページ | 何が起きても要請しか出来ない無責任政府。 »

2008年2月13日 (水)

救急医療の根本的問題点は政府の医療政策にある。現場に押し付けるだけでは医師も国民も浮かばれない。

 ここのとことろ、問題に成っている救急医療体制の不足は、私たち国民に不安を抱かせ、実際に不安以上の被害を出しています。
 私は03年10月の大阪高裁、奈良県立五条病院に対する判決と、結果として判例になった裁判に疑義を申したい。これは病院に患者遺族に4900万円の支払いを命じた判決ですが、事故で運ばれた患者は腹部出血で亡くなったのです。当直医は脳外科の医師でした。病院側は「当直の脳外科医が専門外でも最善を尽くした」と主張しましたが、裁判所は「救急に従事する医師は、専門科目によって注意義務の内容、程度は異ならない」と判断したのです。
 人材・設備が比較的手厚い全国たった205箇所の救命救急センターですら、不足する専従医は二千五百人と言われています。実際の救急の担い手病院はもっと規模の小さな病院です。交代で当直する医師が専門外の患者を診ざるを得ないのです。されも、当直明けに昼間の診察だったり、その逆、昼間の診察の後が当直だったりするのが現実です。大阪高裁は、この貧相な救急体制の根本に迫るべきでした。
 医師は勿論人間です。能力の限界も在るし、専門的に優れた医師になるにはオールマィティーな勉強をしていてはなれません。オールマィティーの持つ、「負の部分」が必ず在るのです。それは医師だけでなく、私達のような仕事をしていても在るのです。私は長唄の三味線を専門としていますが、中には、小唄も出来るし日本舞踊も出来るしと、教えられる器用な方もいます。ですが多くの凡人にとっては、それはそれなりなのです。専門職を一生懸命勉強しても、極められない世界は、医師の世界と共通しています。全然重さは違いますが。
 大阪高裁の判事さん。貴方達には専門が無いのですか?それともオールマィティーなのですか?経済の大して判らない判事さんが、経済事犯を裁くのですか?刑事事犯に詳しくない人が、刑事事件を裁くのですか?医療裁判はここ最近増えているのですが、詳しくなくても頭だけで考えて裁くのですか?
 否。そんなことは在りません。裁判に導く検察官さえ、専門が在るのです。被告の権利を守る弁護士にも、専門が在るのです。貴方達は救急の医師にだけオールマィティーを求めたのです。03年といえば、もう構造改革で官から民へとか、規制緩和が叫ばれ行われていたのです。その中で、医療費を削減することも行われていたのです。その一環として、医師を減らす政策が、本格的に行われていたのです。医師の過労も問題に成っていたのです。病院のベッド数の削減も狙われていた頃です。何故、その根本を判決で指摘しなかったのか。そこを解決しない判決の実際の効果は「どんな優れた医者でも、何でも出来るわけではない。専門外まで対応できなければ過失があると言うなら、受け入れを制限せざるを得ない」(白鬚橋病院長、東京都医師会救急委員長、石原哲氏)。こうなってしまうのです。

|

« 基地が在る限り米兵犯罪は無くならない。安保条約の今こそ破棄を。 | トップページ | 何が起きても要請しか出来ない無責任政府。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 基地が在る限り米兵犯罪は無くならない。安保条約の今こそ破棄を。 | トップページ | 何が起きても要請しか出来ない無責任政府。 »