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2008年4月24日 (木)

名古屋高裁判決に冷静に対応出来ず、混迷を深める政府与党。「裁判制度見直しせよ」の暴論。

 名古屋高裁は、イラク特措法が憲法に違反しているとは判決で言っていません。最高裁が持つ違憲立法審査権を行使した訳では在りません。
 ところが元首相海部氏は「違憲立法審査権は最高裁だけの権限で、具体的な争いを通じてのみ判断を下せることに、この判決は違反している疑い濃い」と発言しました。法律を憲法違反としたわけでは無いのに、海部氏は何を云っているのでしょう。
 保岡興治元法相は「勝訴した当事者も上級審の判断を仰げる仕組みは立法論としてありうる」と云いました。
 平沢勝栄衆議院議員は「傍論(ぼうろん 告訴事実だけでない論理)での違憲判断を目的に訴えるケースが増える可能性がある」とまで云いました。
 まず保岡氏のいい分ですが、告訴事実に対しては勝訴したのだが、判決文の中に、気に入らない内容があった場合に、上告できるようにするべきだということです。これは告訴事実と違うところの意見の違いが問題なのです。これは別の裁判を起こすべき問題です。裁判の判決内容を告訴するのであり、上告では在りません。こんなことも判らないで、よく法務大臣が勤められたものです。
 平沢氏の意見は、政府のすることに違憲内容の判決が傍論であっても出て欲しくない。だから何をするかが主張されていないのですが、これは裁判制度の根本を理解していない意見です。一地方裁判所でも、裁判官が色
いろな資料と発言などを鑑み(かんがみ 考慮)て判決を出すのです。例えば、生活保護を窓口担当者にその場で、何も具体的調査もされずに、一方的に断られ受けられなかった人が、これは「生活保護を願ったのに窓口で門前払いをされ、受け入れてもらえなかった」と告訴したとします。地方裁判所でもこの事案を検討し、原告の主張を考えます。ところが、裁判所では、この原告が、生活保護を申請するには、まだ不充分で、生活保護を受けられる要件を満たしていないと判断したとしましょう。
 だが、生活保護申請窓口で担当者が何も調べもしないで即座に門前払いすることは、憲法第25条の精神からみて、憲法に違反する行為だと判決したとしましょう。これ、傍論ですよ。事案に直接なっていないから。原告は敗訴したのです。被告自治体は勝訴したのです。平沢氏はこの判決で裁判所が傍論を述べたことが問題に成ると云っているのと同じです。更に保岡氏はこの場合、上告できるようにするべきだと云っているのです。それは上告ではないでしょうに。傍論、それも、政府を批判するような意見は云うなに近い。
 憲法を国民の間に浸透させることは間違っていません。判決文の中に、このように傍論が入ることは、良いことでは在りませんか。憲法の趣旨が国民に広がるのですから。
 海部氏、保岡氏、平沢氏のご意見は、政府に都合の悪い傍論は何が在ってもおかしいという意見です。
 これは、政府与党の混迷を示す、法治国家に有るまじき暴論です。名古屋高裁の判決は、イラク特措法の違憲性を何も言っていません。ただ、イラクに行った自衛隊が、戦闘兵をバクダッド空港に運ぶこと自体は、武力行使と一体したものと考えられるので憲法第九条に違反していると言ったまでです。ちゃんと調べていますよ。バクダッド空港は安全だという意見に対して、おとりの熱源を出して自衛隊の輸送機は離着陸している。従って、安全な地域では無いと。昔小泉氏が首相だった時云いました。「自衛隊のいるところが安全区域なのだ」と。こんな詭弁(きべん いい加減な発言)を許すことのほうが、余ほどおかしいです。

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